【読書感想】エドワード・ドルニック『恐竜発見: 巨大な骨の化石の謎に挑んだ人々の物語』
恐竜発見: 巨大な骨の化石の謎に挑んだ人々の物語 エドワード・ドルニック 著/杉田七重 訳 出版社:東京創元社 発売日:2026/07/30 科学と宗教を分けた神殺し ヴィクトリア朝のイギリスにおいて、「恐竜」という概念がいかに生まれ受容されていったかをたどるサイエンスノンフィクション。 聖書が史実だと疑いなく信じられていた時代、科学と宗教は等号で結ばれていた。だが神が創造したはずの自然を観察するようになって、そこには神以前の歴史が漠然と浮かび上がってきた。 貧しい女性化石ハンターのエピソードを ...
【読書感想】見坊行徳『三省堂国語辞典から消えたことば辞典』
三省堂国語辞典から 消えたことば辞典 created by Rinker Amazon 楽天市場 三省堂国語辞典から消えたことば辞典 見坊行徳 / 三省堂編修所 出版社:三省堂 発売日:2023/04/05 辞書作りの舞台裏 時代と共に言葉の流行り廃りがあることは自明のことだが、それは辞書においてもまた然りで、古語あるいは死語として残るものもあれば掲載そのものが削除されるものもある。本書は『三省堂国語辞典(以下、三国)』から削除された言葉について、前身となる『明解国語辞典』から各改訂版ごとに ...
【読書感想】苫米地英人『思考停止という病』
思考停止という病 苫米地英人 出版社:KADOKAWA 発売日:2016/03/26 「ノーマル」を徹底的に疑うこと 「思考停止」という言葉が人口に膾炙して久しい。とはいえ、思考停止している当人らはそのことに気づくことはない。それこそまさしく「思考停止」の状態なのだが。…… 本書では「思考停止」に陥る原因とその脱却の秘訣を事細かに解説してくれている。 結論、思考停止に陥る原因は圧倒的な知識不足とゴールの不明瞭さに他ならず、これは想像に難くないところだ。 ではどうやってその状況からの脱却を図るの ...
【読書感想】大村大次郎『改訂版 税金を払わずに生きてゆく逃税術』
改訂版 税金を払わずに生きてゆく逃税術 大村大次郎 出版社:悟空出版 発売日;2021/09/10 成長しない国で人間らしく生きるために必要なこと 少子高齢化という現実に直面する日本。数十年来蓄積されてきたデータがあるにも関わらず、この国が何もしてこなかったことは既成の事実である。 本書はそんな日本を国民の側から叩き直す、そんな意気込みで書かれている。 著者は元国税局調査官で評論家の大村大次郎氏。数々の著作がありながら、どの著作もその視点・観点に定評がある。 本書に関しては例示が殊のほか ...
【読書感想】田邊園子『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』
伝説の編集者 坂本一亀とその時代 田邊園子 出版社:河出書房新社(河出文庫) 発売日:2018/04/23 古き良き熱い時代 坂本一亀、ほかでもない音楽家・坂本龍一氏の父親である。龍一氏は一亀氏が亡くなる前後より、インタヴューなどことあるごとに父親のことを語っていた。「とにかく怖い人だった」「子ども頃、まともに顔を見て話した記憶がない」……。子息の活躍ぶりをみればその父親も只者ではないと自然に察せられるが、しかしなぜ「伝説」とまで呼ばれる編集者だったのか? それは一亀氏の編集者人生を顧みると明らか ...
【読書感想】船瀬俊介『「食べない」ひとはなぜ若い? 空腹でオン!「長寿遺伝子」の驚異』
「食べない」ひとはなぜ若い? 空腹でオン!「長寿遺伝子」の驚異 船瀬俊介 出版社:ヒカルランド 発売日;2018/02/06 食べる量を減らすこと、「抗齢学」の奇跡を謳う 「大食短命」という言葉がある。文字通り「大食いの人は短命である」という意味だが、果せるかな我々が子どもの頃から言って聞かされてきたことと若干矛盾する風でもある。 「三食しっかりよく食べ栄養をつけて……」という文言も今は昔で、2016年にノーベル医学生理学賞を受賞した大隅教授の研究テーマである「オートファジー(細胞自食作用)」、あ ...
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【ゆる解説】『「バガヴァッドギーター」原典訳してみた』補遺
『マハーバーラタ』におけるクルクシェートラの戦いを描いた18世紀の写本(A Tribute to Hinduismより) 目次 ・人名用語解説 ・超要約「バガヴァッドギーター」 ・「ギーター」こぼれ話し 参考文献 ※本編はコチラから! Amazon いちばんていねいでいちばん易しいインド哲学 超入門『バガヴァッド・ギーター』 人名用語解説(第1章~第2章11節に限る) ・アシュヴァッターマン:ドローナの長男。カウラヴァ軍の勇士。 ・アナンタヴィジャヤ:ユ ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)
6回目は第2章1~11節 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①sañjaya uvāca / taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam / viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca / kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)
5回目は第1章40~47節 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ / dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ / strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...
『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!その1(Ⅰ・1~11)
さて『バガヴァッドギータ―』原典訳してみた!の一回目は第1章1~11節までです。 今回扱うテキストについては前説編を参照のこと。 テキスト ①dhṛtarāṣṭra uvāca / dharmakṣetre kurukṣetre samavetā yuyutsavaḥ / māmakāḥ pāṇḍavāścaiva kimakurvata saṃjaya // 1 // ②saṃjaya uvāca / dṛṣṭvā tu pāṇḍavānīkam vyūḍhaṃ duryodhanasta ...
『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その2(Ⅰ・12~19)
2回目は第1章12~19節をば。 記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで) テキスト ①tasya saṃjanayanharṣaṃ kuruvṛddhaḥ pitāmahāḥ / siṃhanādaṃ vinadyoccaiḥ śańkhaṃ dadhmau pratāpavān // 12 // ②tataḥ śankhaśca bheryaśca paṇavānakagomukhāḥ / sahasaivābhyahanyanta ...
『般若心経』をサンスクリット原典で読む!
多分日本で一番有名な仏教経典である『般若心経』は、正式には『般若波羅蜜多心経』と呼ばれ、今から1600年以前、サンスクリット語で書かれた『Prajñāpāramitā-hṛdaya-sūtram』を漢訳したものだ。 そもそも『般若心経』は、仏になるために菩薩が行う修行・知恵(般若波羅蜜・般若波羅蜜多)を説く『般若経』という経典群の中のひとつで、大乗仏教の根本思想である"空"の思想を簡潔にまとめている。そのため、漢訳されたものもその短い文言の中で大乗仏教の根幹が説かれているとされ、多くの宗派で今なお用い ...
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【ご冗談でしょ定家さん!?】『明月記』講読その1~治承四五年記①(治承四年二月~五月)~
以前公開した『藤原定家「明月記」にみる後鳥羽院の姿』シリーズをやっていた頃から、いつかは『明月記』自体の講読もやりたいと考えていた。 ただ、当の『明月記』が難解極まりないことと、明月記研究会はじめ堀田善衛御大などさまざまな研究者や愛読者がすでに多くの著作や論文を出している。またネット記事なんかでもあちらこちらで書かれていることもあって、「今さら自分がブログ上でやってもなぁ・・・」と二の足を踏んでいた。 とはいえ相変わらずの性と言おうか、思いついたんだからやってみようかしらと、最近になって ...
後鳥羽院『遠島御百首』私見その4~冬 十五首~
・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~ 冬十五首 目次 五十六、見し世にも 五十七、冬くれば 五十八、しもがれの 五十九、かみな月 六十、をのづから 六十一、こぞよりは 六十二、そめのこし 六十三、たつた山 六十四、苔しける 六十五、冬ごもり 六十六、やまかぜの 六十七、さながらや 六十八、けさみれば 六十九、おく山の 七十、かぞふれば ...
後鳥羽院『遠島御百首』私見その5~雑 三十首(上)~
・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~ 雑三十首(上) 目次 七十一、いにしへの 七十二、をきわびぬ 七十三、とへかしな 七十四、もしほやく 七十五、かもめなく 七十六、なみまゆく 七十七、しほかぜに 七十八、さととをみ 七十九、とはるゝも 八十、ながき夜を 八十一、あかつきの 八十二、とにかくに 八十三、すぎにける 八十四、夕月夜 八十 ...
崇徳院と土御門院を巡る四国~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその4 最終回~
保元の乱の首謀者として讃岐に流された崇徳院。そしてその曾姪孫(甥の孫)にあたり、承久の乱で流された父・後鳥羽院、弟・順徳院の身の上を憂い、自ら懇願し阿波に流された土御門院。この二人を追ったレポート。 Field work on SUTOKU Tenno & TSUCHIMIKADO Tenno. SUTOKU Tenno[1,Jul,1119~14,Sep,1164(28,May,Genei2~26,Aug,Chokan2):75nd emperor(reigning:1123~1142)and R ...
【隠岐ふたたび…】RE:後鳥羽院を巡るフィールドワーク~前編~
目次 ・プロローグからの隠岐へ ・「お腰掛けの石」のこと ・隠岐の夜 ・後鳥羽院の気配 ・夕すゞみ あしの葉みだれ よる浪に Amazon 菊帝悲歌: 小説後鳥羽院 (河出文庫) プロローグからの隠岐へ ママ「あのね8月の隠岐の件だけど、あれ、わたしキャンセル……」 それは歳の離れたお友達、後鳥羽院単推しの例のママからの唐突な電話だった。 ママとは前年(2022)中に隠岐再訪を計画していたものの、私の身辺でのゴタゴタ続きなどで結局行けずに終わった。それゆえ今 ...
藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 その4(承元元年~承元2年)
後鳥羽院の姿を記録する主な公家日記2 (甚之助蔵 藤原家実『猪隈関白記』岩波書店、昭和62年第2刷) ・【運命の四の宮】藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿 序奏 ・その1 治承4年~建仁元年(第1巻) ・その2 建仁2年~元久元年(第1巻) ・その3 元久2年~建永元年(第1巻) ・その4 承元元年~承元2年(第2巻) ・その5 建暦元年~建暦2年(第2巻) ・その6 建保元年~建保6年(第2巻) ・その7 承久元年~嘉禎元年・その後(第2・3巻) 目次 ●藤 ...
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北区赤羽の住宅街をプラっと散歩してきましたレポ
昨年夏に上京した折、ちょっと時間が空いたので赤羽で途中下車して住宅街を散歩してきたレポートです。 赤羽といえば最近では住んでみたい街として人気もうなぎ上りのようですが、細い路地に"せんべろ"飲み屋街と、知る人ぞ知る隠れたディープスポット密集地帯だったりする。また昨年暮れ、タレントの壇蜜さんと漫画家・清野とおるさんのご結婚が報じられた際、清野さんの地元ということでもその名が更に広まったりしたのは記憶に新しいところ。 駅付近のふざけた七福神像やホテル屋上の自由の女神像なんか特に有名ですが、今回は赤羽駅 ...
【溢れ出る昭和感】新宿の老舗食堂・長野屋で定食を食べる。
さて昨年末に上京していた折、久々に行ってみたのでサクッとレポートです。都内住のころ新宿界隈で用事があるとき、食事時なり小腹が空いたときなどにちょいちょい食べにきていたお店。 あのころangle 街と地図の大特集1979新宿・池袋・吉祥寺・中央線沿線編 Kindle版 風景は記憶の順にできていく 新宿駅東南口を出てすぐ。様々な飲食店がひしめく新宿の街のなかでひときわ異彩を放っているのがここ「長野屋」。 この建物に見覚えのある方も多いはず。 こちらの長野屋さんはその外観からもわ ...
【私的愛用品】ツバメノート「KB4」考
目次 ・「KB4」のココに注目! ・「KB4」今昔物語 ・私的使用法 大分前に本家の方で書いた「私の文房具【私の本棚 余談】」でチラッと紹介した私愛用のノートについて、ここ10年来でいろいろ変わって変化があったのでそこを深堀りしてみようと思います。時代の流れというのか、発展でありまた淋しくもある変化の詳細です。 件のシリーズ「私の本棚」も、あれ以来書斎の模様替えなど相俟って、今では本棚に並ぶ背表紙も大分変わりました。昨今は専門とするインド哲学仏教学と、ここ数年かかずらわ ...
オッサンだから今話題の『DEOCO』使ってみましたレポw
※個人的な感想です。効果には個人差があります(多分)。 どうも、基本的に口と腋と足が臭く“哀しい臭い”と書いて男の『哀臭(あいしゅう)』を漂わせている甚之助です。見事にオッサンです。 さて、昨今巷のオッサンたちの間では ●リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた (わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる) ●デオコで女の子の匂いを感じるためには女の子との思い出が必要という問題 (本しゃぶり) これらの記事を皮 ...
銀座の老舗バー『ルパン』で呑む
日本屈指の繁華街、東京・銀座。 和光の時計台は海外の旅行者からも人気のスポットですが、そこからほど近いところにあるのが老舗バー『ルパン』。 創業は昭和3(1928)年。開店時には当時近くにあった文藝春秋社の面々からの支援があり、以来文壇バーとして知られています。 注:本記事にはお酒にまつわる記述がありますが、飲酒を勧めるものではありません。 また、未成年の飲酒は法律で禁止されています。 成人であっても節度とマナーを守って過度な飲酒は控えましょう。 飲酒運転は絶対やめましょう。 猪 ...
【妖怪博士の遺産】中野区立哲学堂公園を歩く!
Amazon 史上最強の哲学入門 Kindle版 2023年3月、3年前から世界を席巻した某ウイルスの流行も収まりをみせ、久々に(本格的な)上京しました。そのときブラっと『中野区立哲学堂公園』に立ち寄ったので、その時のレポートです。ひさびさの散歩記事。 さて、哲学堂公園への行き方は複数ありますが、今回は都営大江戸線落合南長崎駅から(その他のルートは記事末に記載します)。 A1出口から都道440号線・新青梅街道を西に向かって歩く。 途中、なんのご縁かこんな ...
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