感想・レビュー

2026/1/24

【読書感想】服部正也『ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版]』

 ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版] 服部正也 出版社:中央公論新社(中公新書290) 発売日:2009/11/25    ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版] (中公新書) Kindle版   その国の人々が生きていくための援助とは?  50年以上前、アフリカの小国ルワンダの中央銀行総裁として派遣された著者が、ルワンダ発展のために奔走する過程を追った実録。中公新書の中でも屈指のロングセラーであり、2009年にルワンダ動乱に関する一文が増補されてからは「リアルなろう小説」「リアル異世界召喚」などとしてS ...

感想・レビュー

2022/7/27

【読書感想】高橋輝次『増補版 誤植読本』

  増補版 誤植読本 高橋輝次 出版社:筑摩書房(ちくま文庫) 発売日:2013/06/10 「校正」世界の奥深さ  2000年に出た単行本の文庫版。校正・校閲・誤植にまつわる珠玉のエッセイを集めたアンソロジー。書き手はみな百戦錬磨の錚々たる面々だが、文字や活字に関わる仕事に就いているだけに、常日頃から校正・誤植と不可分な関係性であることは拒否できない。  現在のようにデジタル入稿が当たり前になった世の中でも、誤入力や変換ミスでさまざまな誤植が起こりうるというのに活版印刷全盛の時代なら況や……。活版印刷全 ...

感想・レビュー

2023/3/24

【読書感想】『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界 』

  老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界 ~「チャンネル登録」すら知らなかった社員が登録者数20万人に育てるまで~ 有隣堂YouTubeチーム 出版社:ホーム社 発売日:202302/24 チームワークがもたらす力の本質とは?  都内住みの頃、近場にあったこともあって結構好んで利用していたのが有隣堂だった。その店舗は決して大きくはなかったけれど、本の種類が豊富で実に重宝していた。「内地(青森以南)にはこういう本屋もあるんだ~」と、北海道出身の私は随分驚いたのを覚えている。実際には本店のある神奈 ...

感想・レビュー

2021/2/9

【読書感想】森岡正博『生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ!』

  生まれてこないほうが良かったのか? ――生命の哲学へ! 森岡正博 出版社:筑摩書房 発売日:2020/10/15  人生を"肯定"するための新しい哲学  近年、あらたな発展をみせる「反出生主義」。  「生まれてこなければよかった……」という心理は、現代人に限らず古代から多くの人が抱いてきた人間的ジレンマでもある。  本書はその反出生主義の在り方を、古今東西の哲学者や宗教を軸に掘り起こし、新たなる問題提起へと導く意欲作だ。反出生主義に対し真正面から挑んでいるという意味で、日本唯一にして随一の書籍。  反 ...

感想・レビュー

2025/1/27

【読書感想】種田輝豊『20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法』

20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法 (ちくま文庫) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場  20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法 種田輝豊  出版社:筑摩書房(ちくま文庫) 発売日:2022/05/12 語学を学ぶ、語学を楽しむ  英語をはじめとした諸外国語をつぎつぎとマスターしていった著者の青春記。初版の刊行は今から50年も前だが、その内容は色褪せない。  「○○バカ」という表現もあるが、著者はまさしく「語学バカ」の称号に相応しい。現代のようにネッ ...

感想・レビュー

2024/10/25

【読書感想】苅米 一志『日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法』

日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法 created by Rinker Amazon 楽天市場  日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法 苅米 一志・著 日本史史料研究会・監修 出版社:吉川弘文館 発売日:2015/04/04 古文書を読み解くための必携書  高校国語の「漢文」の授業を通し、漢語文法は必ず学習する。だが中世日本で発達した「変体漢文」は、当時の日本語を漢文に倣って綴られている文章のため、漢文のそれにはない語法や用字を多く含む。  本書はそんな「変体漢文」を読み下すための用字・語 ...

もっと見る

インド哲学仏教学 感想・レビュー

2024/3/24

【読書感想】ヴィヤーサ著・石原美里訳『邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻』

  邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 created by Rinker Amazon 楽天市場  邦訳マハーバーラタ 寡妃の巻 ヴィヤーサ 著 / 石原美里 訳 出版社:パブファンセルフ 発売日:2024/01/29 愛する者を失った悲しみと屈辱  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』。そのうち『マハーバーラタ』(以下MBh)の第11巻「Strī-Parvan」の日本語訳注本。  MBhの日本語完訳は未だなされていない。故上村勝彦博士による翻訳は、急逝のため第8巻途中までにとどま ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その4(Ⅰ・31~39)

       4回目は第1章31~39節。  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①nimittāni ca paśyāmi viparītāni keśava /  na ca śreyo'nupaśyāmi hatvā svajanamāhave // 31 // ②na kāṅkṣe vijayaṃ kṛṣṇa na ca rājyaṃ sukhāni ca /  kiṃ no rājyena govinda kiṃ bh ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

インド二大叙事詩とヒンドゥー教の聖典について

【改訂記録】 ・2021/02/24 「あらすじ」欄に各巻・章のタイトル追記。   前説  インドの二大叙事詩『マハーバーラタ(Mahābhāratam)』と『ラーマーヤナ(Rāmāyana)』、そしてヒンドゥー教における最高の聖典と称される『バガヴァット・ギーター(Śrīmadbhagavad gītā)』について、その概要をまとめてみました(個人的な復習の意味も含め)。  かなりザックリとしたまとめになっていますが、本記事はちょっと実験したい部分もあって、今後も随時改訂したりしていきたいと思います。 ...

感想・レビュー インド哲学仏教学

2024/1/5

【読書感想】清水俊史『ブッダという男 初期仏典を読みとく』

ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) created by Rinker Kindle Amazon 楽天市場   ブッダという男 初期仏典を読みとく 清水俊文 出版社:筑摩書房(ちくま新書1763) 発売日:2023/12/07 人間・ブッダは何を語っていたのか  ネット上を一時騒然とさせた仏教学界隈のアカハラ問題。その渦中にあった著者による「あとがき」が脚光を浴び、本書は刊行直後からベストセラーとなっている。若干そればかりが注目され独り歩きしている感は否めないが、本書は内容 ...

インド哲学仏教学

2023/6/10

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その5(Ⅰ・40~47)

       5回目は第1章40~47節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①kulakṣaye praṇaśyanti kuladharmāḥ sanātanāḥ /  dharme naṣṭe kulaṃ kṛtsnamadharmo'bhibhavatyuta // 40 // ②adharmābhibhavātkṛṣṇa praduṣyanti kulastriyaḥ /  strīṣu duṣṭāsu vārṣṇe ...

インド哲学仏教学

2023/6/13

『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!その6(Ⅱ・1~11)

       6回目は第2章1~11節  記事一覧はコチラ→『バガヴァッドギーター』原典訳してみた!(第1章~第2章11節まで)       テキスト   ①sañjaya uvāca /  taṃ tathā kṛpayāviṣṭam aśrupūrṇākulekṣaṇam /  viṣīdantam idaṃ vākyam uvāca madhusūdanaḥ // 1 // ②śrībhagavān uvāca /  kutastvā kaśmalam idaṃ viṣame samupasthit ...

もっと見る

後鳥羽院project

2022/9/20

崇徳院と土御門院を巡る四国~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその4 最終回~

 保元の乱の首謀者として讃岐に流された崇徳院。そしてその曾姪孫(甥の孫)にあたり、承久の乱で流された父・後鳥羽院、弟・順徳院の身の上を憂い、自ら懇願し阿波に流された土御門院。この二人を追ったレポート。  Field work on SUTOKU Tenno & TSUCHIMIKADO Tenno.  SUTOKU Tenno[1,Jul,1119~14,Sep,1164(28,May,Genei2~26,Aug,Chokan2):75nd emperor(reigning:1123~1142)and R ...

後鳥羽院project

2022/12/27

後鳥羽院『遠島御百首』私見その3~秋 ニ十首~

      ・その1~春 二十首~ ・その2~夏 十五首~ ・その3~秋 二十首~ ・その4~冬 十五首~ ・その5~雑 三十首(上)~ ・その6~雑 三十首(下)~       秋ニ十首 目次  三十六、かたしきの  三十七、よのつねの  三十八、秋されば  三十九、おもひやれ  四十、咲かゝる  四十一、ふるさとを  四十二、いかにせむ  四十三、なきまさる  四十四、いたづらに  四十五、おもひやれ  四十六、ふるさとの  四十七、野をそむる  四十八、あはれなる  四十九、はれよかし  五十、岡の ...

レポート 後鳥羽院project

2022/2/24

【とはずがたり】「『明月記』の後鳥羽院」よもやま話

       調査・研究に用いているノート。    「藤原定家『明月記』にみる後鳥羽院の姿」調査中の机の上w   目次  ・きっかけ  ・隠岐、集中豪雨  ・愛憎半ば、悲喜交々 その1  ・愛憎半ば、悲喜交々 その2  ・ママ、クルマにはねられる  ・『吉記』のこと  ・青天の霹靂  ・ママ、怒る!  ・老いたる定家と後鳥羽院  ・拝啓、藤原定家さま    Amazon  夢のなかぞら―父 藤原定家と後鳥羽院   ・きっかけ   「まあ、またなんとも面白そうなことを……」        2021年春、私は ...

後鳥羽院project

2024/1/8

【隠岐ふたたび…】RE:後鳥羽院を巡るフィールドワーク~後編~

      前回のあらすじ  コロナ禍を経て念願の隠岐再訪を目指したワタクシ甚之助は、酷暑の中を必死の思いで隠岐・海士町に降り立った。  そして遂に、前回目の当たりにすることのできなかった後鳥羽院「お腰掛けの石」と対面する。  次いで、SNS上では長らく付き合いのある通称・元大賞さんと邂逅し、ふたたび隠岐神社・御在所&火葬塚跡へと足を踏み入れた。そこで目にしたものは「ひと夏の幻」だった……。   目次 ・पुनर्मिलाम ओकि・・・ ・キーポイント美保関 ・それからのこと   出雲国風土記 (講談社 ...

後鳥羽院project

2020/3/20

令和の時代に鎌倉幕府に思いを馳せてみた~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその3~

 Field work on KAMAKURA Shogunate around the Jokyu war age.  2019年末、例の後鳥羽院単推しの通称ママとの取材旅行の前に、ひとりブラっと古都・鎌倉に残る承久の乱関連の史蹟を巡ってきましたというレポ。 目次  ・切通しのこと  ・冬の由比ガ浜  ・承久の乱を彩った人々の眠る場所と日蓮の消息  ・鶴岡八幡宮と承久の乱  参考文献 Amazon図説 鎌倉府 新版改訂 鎌倉観光文化検定 公式テキストブック 切通しのこと  平安時代末、栄華を極めた平家の ...

後鳥羽院project

2019/8/10

佐渡の入江の順徳院 前編~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2~

      Field work on JUNTOKU Tenno[22,Oct,1197~7,Oct,1242(10,Sep,Kenkyu8~12,Sep,Ninji3):84nd emperor(reigning:1210~1221)and Retired Emperor].  He is a scholarship and the martial arts who resembles his father.  However, he was condemned to SADO due to the ...

もっと見る

レポート

2019/10/20

佐渡島をブラっと散歩してきましたレポ~後鳥羽院をめぐるフィールドワークその2 おまけ編~

 今回は本当におまけ編w  サムネ画像は、佐渡汽船の看板娘・カーフェリー三人娘の(左から)「あかねちゃん」「ときわちゃん」「おけさちゃん」。    それぞれ佐渡汽船のフェリーがモチーフ。ちなみに「おけさちゃん」が長女。「あかねちゃん」が末っ子とのこと。めんこいwww    Amazon  10 地球の歩き方JAPAN 島旅 佐渡 ブラタモリ 9 平泉 新潟 佐渡 広島 宮島      さて、【佐渡の入江の順徳院 後編】で『堂所御所跡』へ行ってきた後で、フェリーまでに相当な時間があったので「さてママ、どーし ...

レポート

2023/6/2

あがた森魚さんの映画を見に行くin小樽【佐藤敬子先生を探して】

目次  前説  映画『佐藤敬子先生を探して』  私にとっての「あがた森魚」という人  脚注    Amazon  愛は愛とて何になる   ◎前説  8月上旬、私は農作業の傍らで北海道のローカルラジオ番組に耳を傾けていた。  その番組の一コーナーにとあるミュージシャンがゲスト出演していたのだが、なにやら熱心に口角泡を飛ばす勢いで必死に言葉を紡いでいる。件のコーナーでは、さまざまなミュージシャンのメッセージが流されたりゲスト出演した後で楽曲が放送されるのだが、その日に限ってはなかなか曲に移らない。最終的に楽曲 ...

レポート

2020/5/1

【文豪ご用達w】老舗旅館『鳳明館』に泊まってきたときの話し【文京区本郷】

         ※2019年年末に宿泊しました。        Amazon  「谷根千」地図で時間旅行        コロナウイルスの問題で自粛の風吹き荒れる昨今ですが、今年三月、東京文京区にある老舗旅館・鳳明館からこのようなプランが発表されてのをご記憶されているでしょうか?  ●「先生、進んでますか?」進捗コールも完備。旅館「鳳明館」にて、大正・昭和の人気作家になった気分を味わえる「文豪缶詰プラン」 (かーずSP 2020年3月9日)  現在はテレワークにも対応したデイユースプラン「3密・心配ご無用 ...

レポート

2019/2/6

【溢れ出る昭和感】新宿の老舗食堂・長野屋で定食を食べる。

 さて昨年末に上京していた折、久々に行ってみたのでサクッとレポートです。都内住のころ新宿界隈で用事があるとき、食事時なり小腹が空いたときなどにちょいちょい食べにきていたお店。   あのころangle 街と地図の大特集1979新宿・池袋・吉祥寺・中央線沿線編 Kindle版 風景は記憶の順にできていく      新宿駅東南口を出てすぐ。様々な飲食店がひしめく新宿の街のなかでひときわ異彩を放っているのがここ「長野屋」。        この建物に見覚えのある方も多いはず。  こちらの長野屋さんはその外観からもわ ...

レポート

2018/12/25

夏目漱石『こころ』の散歩道

 「日本で一番売れている」本(2016年時点)  cf,漱石没後100年、人気衰えず 書店で文庫フェア   夏目漱石『こころ』(新潮文庫版)  夏目漱石後期三部作の一つ『こころ』。  その中でも第三章にあたる「下 先生と遺書」は今でも高校の教科書に掲載されている。  あらすじに関しては……長くなるので以下のサイトに譲ります。   cf,夏目漱石「こころ」のあらすじを紹介  さて、主人公の『私』が鎌倉で出会った『先生』は、学生時代に現在の文京区小石川にある伝通院裏で下宿していたのですが、物語のキーパーソンで ...

レポート

2019/6/22

オッサンだから今話題の『DEOCO』使ってみましたレポw

     ※個人的な感想です。効果には個人差があります(多分)。      どうも、基本的に口と腋と足が臭く“哀しい臭い”と書いて男の『哀臭(あいしゅう)』を漂わせている甚之助です。見事にオッサンです。    さて、昨今巷のオッサンたちの間では   ●リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた (わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる)   ●デオコで女の子の匂いを感じるためには女の子との思い出が必要という問題 (本しゃぶり)  これらの記事を皮 ...

もっと見る